短編でひといき

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<<   作成日時 : 2008/07/12 14:34   >>

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「先生、なんとか記憶力を衰えさせる方法は無いでしょうか?」

「え?逆じゃないですか?」

「いいえ」

「あなたは何歳ですか?」

「86歳です」

「う〜ん。医者として始めて聞く話です。一体どういうことなんです?」

「じつは先日同窓会がありました」

「はい」

「会場の部屋に入ると、何人かが私を怪訝そうに見詰めるんです」

「あなたが部屋を間違えたとかではないんですか?」

「そうじゃなくて私の顔を忘れているらしいんです」

「久しぶりに同窓会に来た人ですね」

「いえ、毎年来てます」

「ふ〜ん。でどうなりました?」

「ひょうきんなのが居て、それが在校中の話をします」

「ふむふむ」

「そうするとドッと座が沸き立ちます。まるで初めて聞いた話のように」

「実際初めてじゃないのですか?」

「とんでもない。毎年同じ話です。そのあと決まりきった展開になります」

「ふ〜ん」

「私は笑えないんです。毎年のこの繰り返しをすっかり覚えているから」

「記憶力がいいのですね」

「おまけに若いときに記憶術などをやったもので」

「で、記憶力を衰えさせたい。つまりみんなと一緒に始めて聞くように笑いたいのですね」

「そういうことです。私だけ取り残されたようで寂しいのです」

「…人並みに老いたいということか…」

「はい。『この頃ボケてしまってねえ』と言ってみたいんです」

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内 容 ニックネーム/日時
ばたばたしていて、久しぶりに拝見。相変わらず奇想天外なストリーを楽しんでおります。クラス会でよくある風景。貴兄も結構、クラス会にはまめに顔を出しているようですね。
名無しの徘徊者
2008/07/13 10:04

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